育休・産休中に副業はできる?子育てが最優先の時期に考えたい、現実的な向き合い方

つくる

「育休中、何かできることはないかな」
「収入が減るのが少し不安」
「時間がある今のうちに、副業を始めた方がいいのだろうか」

育休・産休中に、こうしたことを考える人は少なくありません。

生活が大きく変わり、将来のことを考える時間が増えるからこそ、「このままでいいのか」と感じやすい時期でもあります。

ただし、この時期にはっきりさせておきたい前提があります。

育休・産休は、あくまで、子育てが最優先の時間です。

そのうえで、副業という選択肢をどう考えるか。
この記事では、制度と現実を整理しながら考えていきます。

育休・産休中に副業を考える人が増えている理由

育休・産休中に副業を考える背景には、いくつかの共通点があります。

  • 収入が一時的に減る不安
  • 将来の働き方を考える余裕ができる
  • 「何もしていない」ことへの焦り
  • 周囲の副業・在宅ワークの情報が目に入りやすい

これらは、どれも自然な感情です。

特に、これまで仕事に真面目に向き合ってきた人ほど、「何もしない時間」に不安を感じやすくなります。

ただ、その不安をすぐに行動で埋めようとする必要はありません。

まずは、
「副業はできるのか」
「何に気をつける必要があるのか」
を整理するところから始めるのが現実的です。

育休・産休中に副業はできるのか

結論から言うと、一律で「できる」「できない」とは言えません。

判断に関わるのは、主に次の3つです。

  • 給付金との関係
  • 会社の就業規則
  • 副業の内容と働き方

このどれか一つでも確認を怠ると、「知らずにやっていた」が通用しないケースがあります。

最も重要なのは「給付金」との関係

育休・産休中の副業を考えるうえで、最初に確認すべきなのが給付金です。

この記事では、育休・産休中の副業を検討する際の考え方を扱っていますが、特に制度面については、育児休業中(育児休業給付金が関係する期間)を中心に説明しています。産前産後休業中は、別の給付(出産手当金など)が関係し、就労の扱いが異なる場合があるため、実際に動く前に、会社の担当窓口や給付の手続先での確認をおすすめします。

育休中に支給される育児休業給付金は、「休業していること」が前提になっています。

そのため、

  • 継続的な労働とみなされる
  • 収入が一定額を超える
  • 実質的に就労していると判断される

こうした場合、給付金が減額・停止される可能性があります。

ポイントは、「いくら稼いだか」だけでは判断されないという点です。

「働いた」と判断されやすい具体的な基準

育児休業給付金において重要なのは、「副業をしたかどうか」そのものではなく、休業の実態が保たれているかです。

実務上、次のような点が見られます。

  • 労働日数が多いか
    • 月に何日も作業している
    • ほぼ毎週決まったペースで働いている
  • 労働時間が継続的か
    • 1日数時間の作業を定期的に行っている
    • 業務時間がはっきりしている
  • 仕事としての実態があるか
    • 業務委託契約や雇用契約がある
    • 指示を受けて仕事をしている
    • 納期・成果物が定められている
  • 収入が継続して発生しているか
    • 毎月安定して報酬が入っている
    • 副業収入が恒常化している

これらが重なるほど、「実質的に働いている」と判断される可能性が高まります。

一方で、

  • 単発での収入
  • 不定期・不継続な作業
  • 明確な業務時間を持たない活動

については、ただちに就労と判断されるとは限りません。

ただし、明確な線引きがあるわけではないという点は押さえておく必要があります。

「いくらまでなら大丈夫か」は決まっていない

よくある疑問に、「月いくらまでなら副業しても大丈夫ですか?」というものがあります。

結論から言うと、金額だけで判断される基準はありません。

たとえば、

  • 金額が少なくても
    → 定期的・継続的な労働であれば就労とみなされる可能性がある
  • 金額が一時的に多くても
    → 単発・偶発的であれば直ちに問題にならない場合もある

重要なのは、収入額ではなく、働き方の実態です。

そのため、
「◯万円以下なら安全」といった情報には注意が必要です。

  • 働いた日数
  • 働き方の継続性
  • 労働としての実態

これらを総合的に見られます。

副業を考える場合は、「少しなら大丈夫だろう」ではなく、給付金を優先するのか、副業を優先するのか
という視点が欠かせません。

なお、厚労省の案内では、育児休業中に就労する場合の目安として
「支給単位期間(原則1か月)で就業日数が10日以内、または10日を超える場合は就業時間が80時間以内」が示されています。 (厚生労働省ホームページ「育児休業中の就労について」
ただし、これは「この範囲なら絶対に安心」という意味ではなく、あくまで制度上の目安です。
実際には、働き方が恒常的・定期的になっていないか等も含めて、休業の実態としてどう見えるかが重要になります。

また、育休中の就労は「一時的・臨時的」が前提で、恒常的・定期的に就労させる場合は育児休業をしていることにならないと注意されています。
副業が継続して生活の一部になるほど、給付金だけでなく「育休としての整合性」も崩れやすくなる点は押さえておきましょう。

出産や育児に係る制度、費用について考えたい方は一度以下の記事をご覧ください。

会社の就業規則というもう一つの前提

給付金とは別に、会社の就業規則も必ず確認が必要です。

  • 副業自体が禁止されていないか
  • 育休中の副業について特別な規定がないか
  • 申請や報告が必要か

特に育休中は、「働いていない前提」で制度が組まれています。

自身の会社がどのような制度になっているのか、一度確認しましょう。

会社への副業ばれが気になる方は、以下の記事をご覧ください。

副業を勧める立場だからこそ、慎重になる

ここで誤解してほしくないのは、副業そのものを否定しているわけではない、という点です。

副業は、

  • 収入源を増やす
  • 働き方の選択肢を広げる
  • 将来の自分を助ける

とても有効な手段です。

ただし、育休・産休中は話が別です。

この時期は、

  • 睡眠が不規則
  • 予定が立てにくい
  • 体力・気力の波が大きい

という特殊な状況にあります。

無理を前提にした副業は、長く続きません。

グレーゾーンが生まれやすい理由

育休・産休中の副業が難しいのは、制度が現代の働き方に完全には追いついていないからです。

  • 在宅でできる仕事が増えた
  • スキマ時間での収益化が可能になった
  • 働き方が「労働」と「活動」の間に広がっている

この結果、

  • どこからが「働いた」なのか
  • どこまでが「準備・学習」なのか

判断が難しくなっています。

だからこそ、

「やっていいかどうか」より
「どう見られるか」「説明できるか」

という視点が重要になります。

育休・産休中に向いている副業の考え方

もし副業を検討するなら、「何をやるか」よりも「どういう性質か」を基準に考える方が安全です。

  • 時間に縛られない
  • 途中で止められる
  • 初期費用がほとんどかからない
  • 収入が不安定でも致命傷にならない

この条件を満たすものは、「今すぐ稼ぐ」より「将来につながる」タイプの副業が多くなります。

逆に言えば、短期間で大きな収入を狙う副業は、この時期には向いていません。

やめた方がいい副業の特徴

育休・産休中には、避けた方がいい副業もあります。

  • 常に対応が必要なもの(例:チャット対応・電話対応が前提のカスタマーサポート)
  • ノルマや期限が厳しいもの(例:毎日投稿が必須の運用代行、納期が短い請負案件)
  • 初期投資が必要なもの(例:高額なスクール・商材購入が前提の副業、在庫を多く抱える物販)

これらは、子育てとの両立が難しくなりやすく、結果的に心身の負担になります。

副業を始める前に考えておきたいこと

副業を始める前に、一度立ち止まって考えてみてください。

  • 副業をする目的は何か
  • 給付金が減っても問題ないか
  • 今は「稼ぐ時期」なのか
  • 子育てにしわ寄せがいかないか

これらに明確に答えられるなら、副業を検討する余地はあります。

答えが曖昧なら、今は準備や情報収集に充てる時期かもしれません。

副業をしないという選択も、立派な判断

育休・産休中に副業をしないことは、決して後ろ向きな選択ではありません。

  • 子育てに集中する
  • 生活リズムを整える
  • 将来の方向性を考える

これらも、立派な判断です。

焦らなくて大丈夫です。

まとめ|育休・産休中の副業は「無理をしない」が前提

  • 副業は有効な選択肢
  • ただし育休・産休中は子育てが最優先
  • 給付金・就業規則の確認は必須
  • 無理を前提にした副業は続かない
  • しない選択も、十分に価値がある

副業は、
「今すぐやらなければいけないもの」ではありません。

今の生活を守りながら、
将来につながる選択ができれば、それで十分です。


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