確定申告は「自分で税金を正しく計算して申告する手続き」です。
会社員・個人事業主・副業がある人など、条件に当てはまる人は毎年2月〜3月に手続きを行います。
しかし実際には、
・自分が確定申告が必要かわからない
・どんな書類がいるのか不安
・税務署に行くのが面倒
・ミスをしたらどうなるの?
といった理由から、苦手意識を持つ人が大半です。
この記事では、確定申告の基本・対象者・やること・提出書類・注意点までを、初めての人でも迷わず理解できるように整理します。
確定申告は「税金の精算手続き」というだけでなく、自分の収入構造を把握し、家計を整えるための基本となる作業です。
近年は副業解禁、働き方の多様化、投資の普及によって、会社員でも確定申告が必要なケースが急増しています。
特に2024〜2025年にかけて税制が大きく変化したことで、「以前は必要なかったのに、今年から必要になる」という人も増えています。
まずは、自分がどのケースに該当するのかを正確に知ることが、確定申告の第一歩です。
確定申告とは?何のために行うのか
確定申告とは、1年間の所得を自分で計算し、税額を確定させる仕組みです。
年末調整との違いは「自分で手続きを行う」という点。
会社員の多くは年末調整で完結しますが、以下のケースに該当する場合は確定申告が必要になります。
確定申告が必要な人の具体例(2025年版)
以下のいずれかに当てはまる場合、確定申告が必要です。
副業収入が20万円を超える人
給与以外の所得が年間20万円を超える人は、所得税の確定申告が必要になるのが一般的な目安です。なお、20万円以下でも住民税の申告が必要になることがあるため、勤務先や自治体の案内も確認しましょう。
フリーランス・個人事業主
フリーランス・個人事業主は、原則として収入にかかわらず確定申告が必要です。赤字でも、損失の繰越控除を受けるために申告しておくメリットがあります。
医療費控除を使いたい人
年間の医療費が『原則10万円(または総所得金額等の5%のいずれか低い方)』を超える場合が対象です。所得が少ない人は10万円未満でも控除を受けられることがあります。セルフメディケーション税制は、通常の医療費控除と同時に使うことはできず、どちらか一方を選択して申告します。
寄附金控除(ふるさと納税のワンストップを使っていない場合)
ふるさと納税などで、寄付金控除を受ける場合も確定申告が必要です。
ワンストップ特例制度とは、一定の条件を満たせば確定申告をしなくてもふるさと納税の寄附金控除が受けられる便利な仕組みです。1年間(1月~12月)のふるさと納税の寄附先が5自治体以内である方が対象のため、6自治体以上の寄付先がある場合は確定申告が必要となります。
住宅ローン控除の初年度
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を新築・取得・増改築する場合に、毎年の住宅ローン残高の0.7%を最大13年間、所得税から控除することができる制度です。初年度のみ必ず確定申告です。
株・投資信託・暗号資産で利益が出た人
特定口座「源泉徴収なし」や、損益通算する場合も申告が必要です。
源泉徴収あり口座の場合原則確定申告は不要です。証券会社が売買損益を計算し、税金を天引きしますので、面倒な確定申告による納税の手間を省くことができます。
年金受給者で一定額を超える場合
国税庁の「確定申告が必要な人」の基準に該当します。公的年金等の収入が年間400万円を超える場合や、年金以外の所得が20万円を超える場合などは、確定申告が必要になることがあります。
確定申告が必要かどうかは「副業があるかどうか」だけでは判断できません。
会社員でも、次のようなケースは申告が必要になります。
・テレワークで会社から在宅手当を受け取り、それが非課税枠を超える場合
・複数の会社から給与を受け取っている場合(バイトの掛け持ちなど)
・保険の満期金・解約返戻金を受け取った場合
・海外FXや仮想通貨で損失が出て、損益通算したい場合
・高額な医療費はないが、セルフメディケーション税制を利用したい場合
「自分には関係ない」と思っていても、収入や控除の種類によっては申告が必要なことが多いため、早めの確認が大切です。
確定申告で提出する主な書類
確定申告で必要になる書類は、大きく分けて4種類です。
① 源泉徴収票(会社員)
勤務先が年末に発行する書類です。
会社員の副業申告では必須。
② 支払調書・収支内訳書(副業・フリーランス)
クラウドワークス・ランサーズ・企業の業務委託などで報酬を受け取る場合に必要です。
③ 控除に関する証明書
・医療費の領収書
・生命保険料控除証明書
・社会保険料の控除証明書
・寄附金受領証明書(ふるさと納税)
・住宅ローン残高証明書
④ マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)
現在はマイナンバーカード方式が原則ですが、一部ではID・パスワード方式が経過措置として残っているケースもあります。初めて利用する人は、余裕をもって事前準備をしておきましょう。
確定申告でつまずきやすいのは「書類が揃っていない」ことです。
特に副業や投資をしている人は書類が多く、集めるだけで疲れてしまうこともあります。
スムーズに進めたい人は、次のように整理しておくと便利です。
・控除証明書は10〜12月に届く封筒を一つにまとめる
・副業の収入はスプレッドシートや家計簿アプリで月ごとに記録
・経費レシートはスマホで撮影 → クラウド保存
・投資関係は証券会社の年間取引報告書を全社ダウンロード
特に「医療費控除」を使う人は、1年間のレシートを集めるのは大変なので、
早い段階からアプリ(医療費控除アプリ・家計簿アプリ)で記録しておくと負担が激減します。
確定申告のやり方(ステップ形式)
確定申告は以下の流れで進めます。
ステップ1:年間の収入・経費・控除を整理する
・副業の売上
・必要経費
・控除証明書
をまとめます。
ステップ2:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で入力
2025年版は使いやすく改善され、スマホだけでも作成可能です。
ステップ3:提出方法を選ぶ
・e-Tax(電子申告)
・税務署に持参
・郵送(消印有効)
初心者は e-Taxが最速でミスが少ない ためおすすめです。
ステップ4:還付(払いすぎ)または追納(不足分)の案内
・払いすぎ → 銀行口座に振り込まれる
・足りない → 納税手続きが必要
e-Taxを使う場合、マイナンバーカードがあればスマホだけで申告できます。
2024年以降、利用者向け画面が大幅に改善され、質問に沿って入力するだけで自動で計算される仕組みになっています。
手続きの流れは次の通りです。
- マイナポータルと連携(保険料控除などが自動取得)
- 収入・経費を入力
- 控除の種類を選択
- 銀行口座を登録
- 送信ボタンを押すだけ
初めての人でも20〜40分程度で終わるため、税務署に行く時間がない人は電子申告が最もおすすめです。
よくあるミスと注意点
① 副業の「経費」を入れ忘れる
交通費、通信費、備品、書籍など必要経費を入れ忘れると損をします。
② 特定口座の株取引を申告しない
「源泉徴収あり」でも、損益通算した方が税金が安くなるケースがあります。
③ 控除証明書を紛失
保険・iDeCoなどは10〜12月に届く封筒を必ず保管。
④ e-TaxのIDパスワードを忘れる
マイナンバーカード方式に統一されつつあるため、事前準備が必須です。
確定申告では、次の行動をするとトラブルに繋がることがあります。
・収入を少なめに申告する
・レシートがない経費をまとめて計上する
・家族の支払いを自分の経費として申告する
・申告期限ギリギリに始める(システムが混雑する)
・税務署からの通知を放置する
税務署は、単純なミスよりも、意図的な申告漏れや隠ぺい行為を厳しく取り扱う傾向があります。心配な点があれば、早めに相談した方が安全です。
不安な点は税務署または税理士に相談すれば解決できます。
2025年に押さえておくべき制度変更
2025年分からは、次のようなポイントを押さえておきましょう。
定額減税の導入
納税者本人や扶養家族1人につき、所得税・住民税からそれぞれ一定額が差し引かれます。年末調整や確定申告で自動的に反映される仕組みです。
住宅ローン控除の見直し
勤務先が税務署に提出する調書などを基に、年末調整で控除を適用する仕組みが拡充されています。初年度の手続きや控除額の条件は、金融機関や国税庁サイトで確認しましょう。
電子帳簿保存法への対応
個人事業主やフリーランスは、メールでもらった請求書・ネット通販の領収書など電子データで受け取った書類を、電子データのまま保存することが原則になっています。
どこで相談すればいい?(初心者向け)
税務署の確定申告相談
確定申告がわからない場合の相談場所として、最も一般的なものは税務署の窓口です。相談に時間を要する場合があるため、余裕をもって事前の予約が必要です。
税理士
副業が大きくなった、会社を作りたい場合におすすめ。
確定申告は難しそうに見えても、実は無料で相談できる場所が多くあります。
・税務署の電話相談センター
・確定申告期の特設会場(全国の商業施設・公民館など)
・自治体の無料税理相談
・国税庁のチャットボット
これらはすべて無料で利用でき、初心者でも丁寧に教えてもらえます。
「確定申告が初めてで不安」という人は、まず税務署へ電話相談をするだけで半分以上の不安が解消されます。
まとめ
確定申告は、税金の手続きという枠を超えて「お金の流れを整えるための作業」です。
1年分の収入・支出・控除を振り返ることで、
・使いすぎの把握
・副業の収支改善
・節税ポイントの発見
など、多くの気づきが得られます。
家計管理の基盤作りとしても、確定申告は非常に価値の高い習慣になります。
確定申告は難しそうに見えますが、ポイントを押さえればシンプルです。
・副業20万円
・医療費控除
・住宅ローン初年度
・株・暗号資産の利益
これらに当てはまる人は確定申告が必要です。
2025年は制度変更も多いため、早めに準備することでミスなく手続きを終えられます。
確定申告を正しく理解すれば、
払いすぎを防ぎ、家計を整える大きな味方になります。
いちばんわかりやすい確定申告の書き方 令和8年3月16日締切分 [ 土屋裕昭 ]





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