積立投資は“一度設定すれば勝つ確率が高まる”と言われる非常に優れた投資手法です。
しかし現実には、多くの人が1〜3年のどこかで挫折し、積立額を下げたり、停止したりしてしまいます。
長期で成功する人は、実はごく少数。
ではなぜ多くの人が続けられないのか？
理由は「運用の知識」ではなく、ほとんどが 心理の問題 にあります。
・評価額が下がると不安になってしまう
・買い続けているのに成果が見えない
・ニュースに振り回される
・生活費が増えて積立が“邪魔”に感じる
・設定した金額が負担になってくる
これらは、誰でもぶつかる壁です。
だからこそ、「継続力」を育むことそのものが投資スキル だと言えます。
この記事では、挫折する原因と、今日から実践できる「続ける技術」を徹底的に整理します。
積立投資を“続けられない人が多い”というデータ
積立投資の継続率は、実は各種データでも“低さ”が示されています。
・積立NISAの途中売却率は約12〜15%（金融庁データ）
・積立設定の「停止・減額」は約20〜30%程度発生（証券会社自主調査）
・開始3年以内に“積立額の見直し”をする人は全体の約40%
数字は証券会社によって幅がありますが、
「設定したまま10年以上続けられる人」は1割前後 が実態です。
9割が挫折する理由
①：短期で成果が出ないから
積立投資は「時間を味方にする投資」ですが、その“時間”がとにかく長い。
始めた直後は、
・数千円しか増えない
・むしろマイナス
・“意味あるの？”と疑問が出る
こうした心理に陥りやすく、挫折の大きな要因になります。
本来、積立投資が力を発揮するのは 15年以上。
最初の2〜3年で成果が見えないのは正常。
しかし多くの人はここで離脱します。
②：下落相場が怖すぎる
積立投資を止める理由のトップは「暴落」です。
・評価額が30%下落
・積み立てたお金がどんどん消えていく
・世界が不安定でニュースが怖い
本来、暴落こそ“積立投資のご褒美”の時期なのですが、人間は感情に勝てません。
特に、
・リーマンショック
・コロナショック
・ウクライナ問題
・金利急上昇局面
こういう時期に積立停止する人が非常に多い。
しかし、長期投資家の多くは逆に「買い続けたおかげで将来リターンが跳ねた」と語ります。
③：積立額の設定ミス
意外と多いのがコレです。
・月3万円で設定したけど、生活費が圧迫
・ボーナス設定が重すぎる
・教育費・車などの出費とバッティング
積立投資は「無理のない金額で、淡々と継続する」のが最強。
最初の設定額が高すぎると、数カ月後に「もう無理…」となります。
④：目的が曖昧すぎる
よくあるパターンです。
・みんながNISAやってるから
・将来不安だからなんとなく
・銀行に言われたから
この状態だと、下落が来た瞬間に挫折します。
逆に続けられる人は、
・老後の生活費の“底上げ”
・子供の大学費
・将来の働き方の自由度を上げる
・早期退職（FIRE系）
など、目的が明確です。
⑤：知識が不安を上回っていない
積立投資はシンプルですが、
・なぜ積立で増えるのか
・インデックス投資の仕組み
・過去の暴落のデータ
・リスクとリターンの関係
これらを知らないまま始めると、途中で必ず不安になります。
知識は「継続力」を支える土台です。
継続力を育む“5つの技術”
以下は、長期投資家がほぼ全員やっている「続けるための習慣」です。
技術①：積立額を“ギリギリまで低く設定”する
9割の人がやりがちなミスは「初月から高額設定」。
続けるための正解は、
最初は負担ゼロに近い金額にする こと。
最初の積立額の目安：
- 生活費に全く影響しない額
- 「心理的負担ゼロ」を最優先
続けられるリズムさえ作れば、後から月1,000円ずつ増やせばいいのです。
技術②：暴落で“やることリスト”を作っておく
暴落時はメンタルが壊れます。
事前に手順を決めておくと、続けやすくなります。
例：
- ニュースを見すぎない
- 評価額を見ない（アプリ削除でもOK）
- 過去の暴落グラフを見る
- 積立は触らない（止めない・減らさない）
- できれば積立額を増やす（無理な人はしなくてOK）
暴落時に行動を自動化できると、継続率は劇的に上がります。
技術③：目的を“文章にして可視化”する
投資日記にこう書いておくと効果絶大です。
・老後に不安なく暮らすため
・未来の選択肢を増やすため
・子どもに選択肢を与えるため
・働き方の自由度を上げたい
目的は精神的な“支え”になります。
暴落に耐えられない人は、目的が薄いことが多いです。
技術④：ポートフォリオを“超シンプル”にする
継続力を下げる最大の敵は「複雑さ」です。
最初のうちは、下記のようなシンプル構成が最強。
・S&P500+現金
・全世界株式＋現金
商品が増えれば増えるほど、
・リバランス
・管理
・理解する手間
これらが増えて挫折率が上がります。
技術⑤：成果を見る頻度は“年1回だけ”にする
毎日アプリを見るとメンタルが死にます。
積立投資は、
・毎月の評価額
・毎年の株価
・ニュース
これらと距離を置くほうが成功します。
おすすめ：
年末に1回だけ見る。
それだけで十分です。
行動科学的に見ても“継続には環境がすべて”
行動経済学でも、継続の成否は
- 手間の少なさ（自動化）
- 誘惑を避ける環境づくり
- 判断回数の削減
で8割決まると言われています。
積立投資が成功しやすいのは、
“一度設定すれば意思決定を減らせる”投資だからです。
積立NISA・iDeCoは“続けるほど有利になる制度”
積立NISA・iDeCoは、
非課税期間の長さ＝継続した人が報われる制度 です。
特に積立NISAでは、
- 長期で積み続けた人ほど平均利回りが安定
- 20年の非課税枠をフル活用できるのは“継続者だけ”
という特徴があります。
制度の性質そのものが「継続する人の味方」になっています。
まとめ
積立投資は、知識より「継続力」。
投資の才能ではなく、
“続けた人だけが成功する” シンプルなゲームです。
続けられないのはあなたのせいではありません。
仕組みがシンプルすぎるからこそ、続けることが難しいのです。
しかし、
・積立額の設定
・暴落時の行動ルール
・目的の文章化
・シンプルな商品選び
これらを整えれば、誰でも“続く人”になれます。
あなたの未来のお金は、才能ではなく「習慣」が作ります。
今日から積立投資の継続力を、いっしょに育んでいきましょう。
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